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……主人公に選択肢はなかった。だが、ドット絵で全く人相どころか性別さえもわからない。通常であれば男、なのだろう。
場面はありきたりな、剣が刺さっているシーンからだ。テロップが流れた。
《まだ立ち向かう気力のあった戦士の剣》
……こんな所に刺すほどでもない剣。重々しい空気などなく、軽々抜ける。
《使い古された剣を手に入れた》
簡潔化されて、気力のあった戦士が悔やまれる。しかし、近くでキラリと光るものがあった。ネックレスのようなもの、血のように赤い宝石が咲哉の隠れた目を惹き付けた。
………気が付くと、そのまま知らない場所に座っていた。
まるでさっきのゲーム画面がリアル化されたような……。
そして、しっかりと、《使い古された剣》と血のように赤い宝石のついたネックレスを握りしめていた……………。
******ACT.1へ******
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