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「あぁ、保証してやるとも。お前の行く世界は、お前を満たしてくれるとな」
そう言う悪神の目は、まるで父が息子に向けるような、確かな慈愛に満ちていた。
…………そう言われて引く気は無くなった。
「分かったよ。俺は転生する」
俺の答えに、満足気に頷く悪神。
神様、それも悪神であり邪神であり魔神だと言うのに、妙に人間臭いんだよなぁ。
悪神が出した紙の束に目を通す。
1:“転生する世界の種類と、どの文明期に転生したいか”
世界の種類と言うのは、魔法が文明の主軸になっているか、科学が主軸になっているか。人類が繁栄しているか、衰退しているかなど、その世界の特徴を希望のままに書けと言うことらしい。文明期は、例えば地球で言うところの、紀元前何世紀とか、逆に俺が生きていた2000年代よりも遥か未来の時代に転生する事も可能なようだ。
2:“転生する際は赤子からか、今の年齢のままか”
赤子からは兎も角、いまの年齢のままでも容姿は変えれるようだ。
3:“転生後の生活状態・自然環境”
これはそのままだな。恵まれた環境か、劣悪な環境か。生きていた頃が極貧生活だったから、これは重要だな。
4:“転生後の家族構成(※家族を欲するならば)”
これは単純に何人家族だとか、兄弟姉妹の有無、両親は健在か、などは勿論のこと。どのような性格で、どのような生き方をしてきたかなど、本当に自分の都合の良い“家族”が出来る訳だ。ただ細かい感情までは希望出来ないらしい。
5:“転生する種族”
これは世界によっては住めない種族があるみたいだが、1と合わせてなるべく希望通りの世界を見つけてくれるらしいので、好きに書いて良いみたいだ。
ふむ、やはりせっかく異世界に転生するんだ。人間以外の種族も良いものだと俺は思う。特に、生きていた頃から大好きだった種族、存在がいるからな。
6:“お待ちかねの~~………転★生★特★典!!”
何かここだけ違うんだが……まあ良い。これは何でも好きな力が贈られる。世界最強の肉体でも、何でも切れる剣でも、あらゆる謎を解き明かす頭脳でも、特別な異能でも。何でも“1つだけ”なら貰える。
「時間はあるから、たっぷり悩んで決めろ。文字通り、これからのお前の一生が決まるわけだしな」
そう言って悪神はケラケラ笑いながら、何処からか酒を取り出し飲み始めていた。
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