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俺と森山口の前に、スッと現れたのは、首にロープが締めつけられたまま、天井の柱でぶらんこをしている林森口。
つま先立ちで踏ん張っているが、蹴飛ばしたら簡単に命が崩れさる。
そんなアンバランスな中、俺たちは林森口を見た。
「……なんでロープが蛍光ピンクなの?」
「ないわ。ピンクが似合う男ってオシャレだろって勘違いしてる感じ、……ないわ」
「頭と胸にナイフと包丁が刺さってる奴らに言われたくない」
「なんだとお!」
「ごめん、ちょっと待って貰っていい?」
俺と森山口、林森口の話に割って入ったのは、竹口山だった。
竹口山は頭から石油を被ると、水も滴るいい男ならぬ、石油滴るいい男のように髪を掻きあげた。
そして、二回ほど首を振ってから、ライターを手に持って俺達を見る。
「よし」
「よしじゃねえよ」
俺達の気持ちは一つになった。
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