死体未満の俺達

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「なんか、今はやりのデスゲームみたいで格好良いな」 頭のツインテールみたいな包丁を触りながら森山口が言った。 「ないわー。ないわ。死体未満な俺達がデスゲームとか引くわ」 空気を読まない発言とピンクのロープを持つ林森口にほんのりデスゲームを味あわせたくなるがぐっと堪えた。 「デスゲームどころか、動いたら必ず死んじゃいますね」 竹口山が石油を振りまきながら、なぜかはにかんでいた。 「……でも何回も気絶はするのにまだ元気ですよね」 紅一点、暗黒の美少女森湖山が空気を凍らせる。 「まず動けないから医者にきてもらいますか。話はそれからだな」 「だな」 「え、俺けっこうこのつま先立ちキツイ」 「あー。お前なんでそんな恰好にしたんだよ」 そもそも、俺ら普通に話してるけど、どうして目覚めたらこうなってたんだっけ?
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