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自分は他人にいわれるほど、綺麗な人間じゃない。
醜い感情も、内面に潜むどす黒い部分も。
心の奥底には、いつでも渦巻いている。
汚くて、滑稽で、嫌になるくらいな、そんな醜悪。
ただ、なんでもないフリをするのが、人より上手なだけだ。
感情のままに言葉を発する。
そんな行為が、自分にとってはとてつもなく、ハードルの高いものだから。
本当はいつでも少しのことで惑わされて。
些細なことでも胸は疼く。
言葉も感情もコントロールできないくらいに。
バラバラに散らばった欠片すらも収集できないくらいに。
気づかないうちに、醜い感情はどんどんと侵食してくるから。
溺れないように、攫われないように、必死にしがみついているだけだ。
そう、だから。
綺麗な人間なんていない。
完璧な人間なんて、いるはずがない。
自分は、綺麗なんかじゃない。
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