憂鬱パズル

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「・・・・あのさー、真人」  自分と同じように、突然の出来事をただ呆然と眺めていた悟が、おずおずと口を挟んだ。 「俺たち、先に帰ろうか?」  ね?と、同意を求められて、おもわずちらりと真人に視線を向けた。  眼があった真人は、なにもいわずに、自分を見つめている。  下校途中の生徒たちが、何事かと、物珍しげな視線を送る。  その状況に、小さく息を吐いて、悟に向けて軽く頷いた。 「智紘」  顔を上げると、真人はなにかいいた気な表情でこちらを見ている。  なにがいいたいかなんてわからない。  だから、微笑んで、そっと手を差し伸べた。 「俺たちのことは気にしなくていいから、いっていいよ」  ごゆっくり、とばかりに、その手をひらりと揺らすと、真人が僅かに眉を寄せたのが見えた。  すぐに絡みつく腕と、それを振り解こうともしない真人に背を向けて、悟に促されるまま反対方向へ足を向けた。
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