5.

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今日のことにしろ母親へのプレゼントにしろ、そして時折見せる気遣いも、孔明が無神経じゃないことを証明している。 叶多に見せた横柄さ――戒斗はそれを“お坊ちゃま”と表現したけれど、それはやさしさを隠すためかもしれない。 「そうだけど、戒斗にも、ううん、戒斗がやっぱりいちばんなの。ずっといてくれたからここまで来れた気がする」 「気がする?」 「じゃなくて、来れた!」 叶多が訂正すると、戒斗は可笑しそうに口を歪めた。 「あのね、里佳から写真もらったよ」 「写真?」 「そう。あのときの……これ!」 バッグから取りだした写真を戒斗に差しだした。 叶多がミザロヂーで待ち伏せした日の写真だ。 あのとき光った数、三枚の写真がテーブルに並ぶ。
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