5.

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「あの頃……。叶多、これから云うこと、云い訳にはとらないで。ただの事実を知ってほしいだけだから」 里佳はいったん云い淀んだあと、里佳らしくきっぱりと前置きした。 叶多がうなずくと里佳も応えてうなずく。 「あたしの親、あのあとすぐ離婚したの。 お母さん、四年生のとき働き始めたじゃない。 そこで男できちゃって、それで離婚。 お母さんは男のとこ行って、あたしはお父さんとふたりで引っ越したの。 ずっと揉めてて、あの家にはあたしもお父さんもうんざりしてたから。 学校のこともあったし。って云っても、学校の問題はあたしが自分でやったことなんだよね。 わかってたけど、あたしは認められなくて叶多を責めた。
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