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加えて、いま見せている叶多の笑顔は戒斗に向けるものとは違う。
ずっと叶多が抱えてきた里佳への思いを知っている。
それでも戒斗は馬鹿げた、もしくは子供じみた嫉妬を感じなくもない。
複雑な気分極まりなく、戒斗は嘆息した。
「あら!」
脇で待機していたコーディネーターが、今度は泣きだした叶多に慌てて近寄っていく。
里佳が笑いながら叶多を抱き寄せてなだめている。
「写真ができたら差しあげますよ」
そう云ったあと、ふたりの様子を見ていた孔明は、叶多を待っている間に大まかに事情を話したせいか、
よかった、
と付け加えた。
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