303人が本棚に入れています
本棚に追加
撮影が終わったあと、仕事が残っている里佳とはスタジオで別れた。
叶多はこれまでのいろんなことを考えて、車の中ではほとんど口を開くことなく家に帰り着いた。
戒斗もあえて叶多の邪魔はしなかった。
「戒斗、ありがと」
叶多の唐突なお礼に戒斗は首をひねった。
「お礼を云うなら相手はおれじゃない。孔明だろ。なんか散々なことを云われたらしいな。そのお詫びって云ってた」
叶多はふと考えこみ、それから思い至った。
そういえば、“CARY”の話で比較すること自体間違ってるとかなんとか云われた。
叶多は気にしていなかったけれど、孔明はずっと気に留めていたんだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!