5.

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撮影が終わったあと、仕事が残っている里佳とはスタジオで別れた。 叶多はこれまでのいろんなことを考えて、車の中ではほとんど口を開くことなく家に帰り着いた。 戒斗もあえて叶多の邪魔はしなかった。 「戒斗、ありがと」 叶多の唐突なお礼に戒斗は首をひねった。 「お礼を云うなら相手はおれじゃない。孔明だろ。なんか散々なことを云われたらしいな。そのお詫びって云ってた」 叶多はふと考えこみ、それから思い至った。 そういえば、“CARY”の話で比較すること自体間違ってるとかなんとか云われた。 叶多は気にしていなかったけれど、孔明はずっと気に留めていたんだろうか。
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