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哲が二十歳前に中古で買ったというセルシオは、乗り続けて十三年、前の持ち主とトータルすれば二十年は動いている。
改造されたり修復を重ねたり、そこまでするほど哲にとっての愛車だ。
うっかりバッグをぶつけて車体に傷をつけるのも怖く、乗るとき結礼はいつも緊張する。
智也が開けてくれた後部座席のドアからおそるおそる荷物を載せた。
哲がそんな結礼の様子を見て忍び笑うのもいつものことだ。
助手席に乗ると、迷惑をかけるんじゃないぞ、という智也の決まり文句に送られて貴刀家をあとにした。
「なんか、すげぇクリスマスカラーだな」
少し乱暴な言葉遣いをして、ちらりと助手席を見た哲は吹きだしそうな様子だ。
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