2.ヒーロー誕生秘話

2/31
前へ
/446ページ
次へ
以下はこうだ。 『冷えたメシを食う気ないからな、さっさと料理あっためてくれ』 『掃除したいんだけど疲れてんだよ。おまえ、ぬくぬくと泊まらせてもらっんだから、もちろんやるよな』 その二つはともかくとして。 『シーツの洗濯、忘れるなよ』 という、確かに赤い染みは結礼のものだが、デリカシーのない発言には恋心(ロマンス)の欠片もなかった。 結礼が孤軍奮闘してやっている間、ソファに座って眺めていた健朗は、あれこれと難癖を付けては指図をするという具合だ。 終わってしまえば―― 『昼メシつくれよ』 と、結礼のメイド力を健朗はどう評価しているのか。
/446ページ

最初のコメントを投稿しよう!

825人が本棚に入れています
本棚に追加