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「ほんとに?」
結礼はこっくりとうなずく。
「なんとなくさみしいだけ」
「なんとなく、ね。そうだよね。健朗は部活とかバンド活動とか、いまは売れっ子の芸能人だし、家には寝に帰るくらいだから、そう会うこともなかっただろうし、家を出ていってもそう変わらないね。今日もクリスマスライブでしょ」
「ううん。それでも、家に帰ってくるってわかってたときといまは全然違う」
「やっぱり、さみしい?」
結礼は姫良の質問におずおずとしてうなずいた。
「よかった。じゃあ、また電話するからあとでカードとお料理を届けてね」
姫良は可笑しさ半分、にっこりと笑顔を浮かべた。
さみしいのがどうよかったと繋がるのか。
意味不明のまま、結礼の弟、大智(ダイチ)に遊んでもらっていた姫良の一姫二太郎がやってきて、三人で一緒に帰っていった。
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