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しばらくして、扉にノック音が響く
「わたしです…」
サタン様が声をかける前に
扉の向こうから落ち着いた低い声がする
魔王サタン
「嗚呼、入れ…」
扉が開くとアッラーフさんとヘルムさんが入ってきた…
アッラーフ・ナビー=ナーガ
「お久しぶりですサタン様ご夫妻…
挙式からもうじき3日になるのに
魔女街(ウィッチタウン)にお見えにならないので
どうしたのか心配になって来てみたら
こう言うことでしたか
まあ、わかってましたけど…」
アッラーフさんは部屋の真ん中のベット付近
まで来ると、バルコニーとコート掛けを
背にあたし達に向き直る
魔王サタン
「いつから、分かっていたんだ?」
アッラーフさんの両目には布がかかってるから
相変わらずその表情の全貌はわからない…
アッラーフ・ナビー=ナーガ
「あの挙式前…招待状がわたしの手元に
届く前…あなた方を初めて占った時からですが…
あいにく商売道具の水晶は
魔女街(ウィッチタウン)に置いてきてますので…」
とまで言ったアッラーフさんは両目を隠していた
布を外して鼻と口につけなおすと
右手で布を微調整しながら
閉じていた目を開く…
両目の中に六芒星…
アッラーフ・ナビー=ナーガ
「この両目を使って…占います…
あ、これはわたしの自己満足のために
やらせていただくので料金は頂きません…」
無料だなんて…アッラーフさん
それで、本当にいいのかな…
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