#壱

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あれは4月の半ば頃、 俺はいつものように靴の踵を踏み潰しながら 鞄片手に少し遅めに登校した。 まあ遅刻なんて日常茶飯事だ。 フラフラ歩きながら今日は何処へ遊びに行こうかと そんな事ばかり考えていた そんな事を考えていたせいで俺は前を歩く奴に 気づかなかった。 ドンッ!! 誰かにぶつかった。 「ってー、!!」 ぶつかったのは明らかに俺の方なのに 俺はそいつを睨みつけた。 「いってぇな!ンなとこ歩いてんなよ」 睨みつけながらそいつに言うと そいつは心配そうな顔をしながら 大丈夫?怪我ない?なんて言ってきた。 俺からぶつかったのにそんな事言われるなんて 思ってもいなかった俺は少し動揺してしまった。
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