#壱

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「飴?」 「ん、飴。俺もたまに口寂しくなると 飴舐めんの、だから君にも」 ニカッと笑って先輩はまたズボンのポケットに手を入れ 新しい飴を取り出した。 その光景がなんだか可笑しくて俺はつい笑ってしまった 「口寂しくて飴舐めるとか、餓鬼かよお前(笑)」 俺がケラケラ笑うと先輩はきょとんとした顔をした 「ンだよ...」 「初めて見た!君が笑ってるとこ、っていっても 今朝会ったばっかだけどね( 笑 )」 やっぱ気づいてたのかよ...、 「てか、朝は悪かった...怒鳴ったりして、」 「大丈夫。あれは俺が悪いんだし」 先輩はそういうと今度はふにゃっとした笑顔で 「俺の方こそゴメンね」と言い出した。 なんでこいつが謝んのか俺には分からない。 少しの間、沈黙が流れた。 それを取り払うかのように俺は口を開けた。
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