07.キッカとの旅

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キラキラ光る瞳に見つめられただけで、俺の心臓は破裂しそうなくらい早く脈を打つ。  キッカは俺を離さず、そのままの距離で話をする。 「カイト、私をニライカナイの神殿から助けてくれたの?」 「そっ、そうだよ」  キッカはしずかに瞬きをする。  俺は上下に動く長いまつげだけを見つめていた。 「ありがとう……助けてくれて……」 「何を言っているんだよ。最初に俺の命を助けてくれたのはキッカの方だろ?」 「カイト……」 キッカは、はにかむように微笑む。 それは今までキッカが俺に見せてくれた中で、最高の笑顔だった。 顔には生気が戻り始め、ゆっくりとピンク色に染まっていくのが分かる。 その時、キッカが静かに何かを呟くと、唯一ついていた巨大な水槽の明かりもふっと消え、部屋の中は真っ暗となった。 キッカは両腕にさらに力を入れる。 俺はそんな力に逆らうことなく、自然に下へ向かって顔を下げた。 触れ合った頬と頬は、お互いにとても暖かかった。 「少しだけこうしてていい?」 「あっ……うん……いいよ」 そんな俺たちの耳にはソットマリーナが海中を走り抜けていく、静かな走行音だけが聞こえていた。 俺は今、深度数百メートルの深海で、女神のようなスキューマに抱きしめられていた。 ソットマリーナに乗った俺は、キッカらと共に不思議な旅を続けるのだった。                       (終わり)                ----------------------------------------------------------------------------------------------------- UNDER THE SEA公式サイト http://www.underthesea.jp/ UNDER THE SEA 公式ツイッター@事務局 https://twitter.com/uts_jimukyoku ↑ こちらも、お見逃しなく。 毎日、沖縄から配信しています!
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