バター猫のパラドックス

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「バター猫のパラドックスって知ってる?」 『いや、初めて聞くな。シュレディンガーの猫なら知ってるけど。それも小難しいやつか?』 「まず、バタートーストを落とすと、絶対にバターを塗った面が下になって落ちるんだって」 『ジンクスの域を超えてないな…』 「で、猫は落ちた時絶対に足を下にして着地するらしくて」 (何となく読めたが黙っておいてやろう) 「そしてー、猫の背中にバタートーストを付けて落とすと…何と!」 『何と?』 「生きながらにして死んでいる状態になる!」 『多分混ざってるぞ。かくかくしかじか』 「あっ、そうだった。こっちだと永遠に落ちなくなるんだった」 『やれやれ』 「でね、このバター猫のパラドックスを実際にためしてみようと思ってバターを買いに行ったんだけど品薄で…」 (その行動力を他の分野に生かせ) 「代わりにマーガリンを買ってきました~」 『代用品かよ』 「うーん…どっちも似たようなもんじゃない?何が違うんだろ」 『ざっくり言うとマーガリンは植物性でバターが乳脂肪、つまり動物性だ』 「へー。なんでバターなんだろ。マーガリンじゃ駄目なのかな?」 『目の付け所は悪くないが…』 「むしろ代用品のマーガリンで実験したらさ、違う結果になっちゃったりして」 (そろそろ止めさせるべきだろうか) 「よし!やってみる!マーガリンで!なんか燃えてきた」 (間に合わなかった) 『…で、猫はどうするんだ?』 「友達の飼い猫を借りるから問題無し」 『肝心なとこで他力本願だな』 「じゃまた明日報告するね!バイバーイ」 『ああ』 翌日 『おはよう。どうだった?』 「断られた」 (そりゃそうだ) 『そうかー残念だったなー。元気出せよー』 「仕方ないからネットで質問してみた」 『そ、そうか』 「さすがにマーガリンでやった人はいなかったんだけど、バターでやった人がいてね。その人いわく…」 『いわく?』 「猫の舌はザラザラだから痛かった。やっぱり犬に限る。だって」 『お前にネットは10年早い』
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