①彼女は俺の××。

11/36
前へ
/36ページ
次へ
「スキャンダルが一切ないのも人気の一つだよね。 浮いた話も聞かないし。 …彼女かぁ。楢崎主任って彼女の前ではどんな感じなんだろう…」 「想像できないよね。 ちょっと見てみたい気もするけど…。 でも、女性と一緒にいる彼を想像できないし、そんな噂もないし、思い違いじゃない? そう思い込みたいよ」 彼女を通り越して、婚約を発表したときはどうなるんだろう…。 女性社員の悲鳴と絶叫を想像して身震いしたけれど、今は深く考えないで時の流れに身を任せることにしようと決意する。 「主任は上司からも好評だよね」 「あれだけ働いて会社に尽くせばね。 頼りにされている証拠だよ。 一時期さ、いつ帰ってるの?っていう時なかった?」 「あった、あった。あの頃はハードだったよね…。 女性には超絶冷たいし。 でもさ、ああ見えて意外に部下思いなところもあるんだよ。 この前だって仕事が終わらなくて残業していた社員を思ってか、遅くまで会社に残ってあげたり、ミスした新人の埋め合わせで休日出勤したりとか」 「言葉はきつくても彼の本心は態度でわかるよね。 最近になって楢崎主任のこと少しずつわかってきた気がする」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

829人が本棚に入れています
本棚に追加