番外編 彼女は俺の××。① 葉瑠・怜斗編

①彼女は俺の××。

…残念。可愛かったのにな。

心の中でつぶやくと、一度彼から視線を逸らした。

あまり見過ぎると、返って不自然だったりするのだ。

でも、やっぱり彼のことが気になって、こっそりと視線を戻した。

…ああ。やっぱり格好いい。

冷たい顔立ちとダークなオーラがスーツにマッチして、長身で引き締まったスタイルが彼をより一層引き立てる。

背後の女性社員と一緒に見惚れていると、突然、彼と目が合ってしまった。

フッと唇の端を上げて微笑む彼に、胸の鼓動が一気に加速する。

無表情な冷たい顔が崩れる瞬間の破壊力は半端ない。

弾む鼓動は一向に収まらなくて、ドキドキしながら彼に微笑み返した。

こんな風に目配せを交わすことができるのも社内恋愛の特権だと思う。