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「楢崎主任、今こっち見て笑ったよね!?」
キャッキャッと騒ぐ女子社員を後ろに、彼の甘い笑顔に浸る私の顔は火照るように熱くて、今にも沸騰しそうだ。
そんな自分を誰かに悟られるような気がして、彼から視線を逸らすように俯いた。
「やーん。仁野さんも一緒じゃん!
こんな時間まで社食に残っていてよかった!」
こんな時間…?
ハッと我に返ると、慌てて腕時計を覗き込む。
やだ、会議に遅れちゃう!
彼に見惚れてたら遅れてしまいました、なんて言い訳が通るはずがない。
完食したトレーを両手に持ち、急いで厨房まで返却するとそのまま駆け足で研究棟へ向かった。
最後にちらりと彼を覗くと、一連の流れを見ていた楢崎くんはククッと笑いを押し殺すかのように肩を揺らしていた。
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