①彼女は俺の××。

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「もしかして、これ…」 「葉瑠がこの前食べたいって言ってたケーキ。 俺の好みで選んだんだけど、後で一緒に食べよう」 この前とは先週の金曜日、彼と一緒に食事をした時のこと。 彼と合流した後、表参道を歩いているときに見えたガラス張りの綺麗なケーキ屋さん。 最近できたばかりで、テレビ特集で見かけることも多く、いつも長蛇の列が並ぶほどの人気のお店だ。 『…わぁ、美味しそう…』 ガラス越しからケーキを作る過程が見られるのも、専門店ならではのサービスだろう。 少し立ち止まって、独り言のように呟いただけだったのに、まさかそれを聞かれていたなんて。 その思いを拾ってくれる彼の優しさに胸がきゅんと高鳴る。
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