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「ありがとう…嬉しい…。
表参道まで行ってくれたなんて…それに、たくさん並んでいたでしょう?
疲れているのに…ごめんね」
「俺が行ったときは結構空いていたから大丈夫だよ」
にっこり微笑む彼。
…嘘だ。
この時間帯は帰宅ラッシュだから激込みのはずだ。
「こら、そんな顔で見るなって。
俺がしたくてしているんだから。
俺は葉瑠が喜んでくれればそれでいいんだよ。
謝るのも禁止な」
彼は困ったようにそう言うと、大きな手のひらでぽんっと優しく頭に触れた。
「…うん。本当にありがとう。
後で一緒に食べようね。すっごく楽しみ!」
とびっきりの笑顔で返すと、彼も目を細めて笑ってくれる。
楢崎くんは、時折こんな小さなサプライズをしてくれる。
八年離れていた間で、できなかったことをたくさんしてあげたいと彼は言うのだ。
その言葉だけで嬉しいのに、彼は幾度も私に幸せをたくさんくれる。
いつも大切にしてくれてありがとう。
大好き。
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