①彼女は俺の××。

19/36
前へ
/36ページ
次へ
それからは、彼のために愛情たっぷりの夕食を振る舞った。 彼はいつも「美味しい」と言って、すべて残さず食べてくれる。 食後のデザートは彼が並んで買ってきてくれたケーキ。 「好きな種類を選んでいいよ」と、その言葉に甘えて、大好きないちごのショートケーキを頬張っていると、彼はクスッと微笑みながら愛おしそうに見つめている。 「葉瑠はいつも美味しそうに食べるよね」 頬杖をつきながら、じーっと見つめる彼。 くしゃりと顔を崩すその素顔は、会社にいる彼とはまったく面影がない。   見られていると思うと急に恥ずかしくなって、ぽっと頬を赤らめながらうつむき加減にフォークを進める。 すると、 「可愛い」 彼は甘く囁くように言った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

829人が本棚に入れています
本棚に追加