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勝ち誇ったような微笑を見て、彼の思惑にまんまと引っかってしまったことを悟る。
「葉瑠。おいで」
蠱惑的な眼差しで見つめられたら、抗えることなんてできない。
そそるような声に吸い取られていくと、
「はい、捕獲」
まるで簡単だと言わんばかりの声色で、耳朶に触れるように囁いた。
ビクッと肩を揺らしていると、背後から包まれるように抱き締められてしまった。
どう足掻いたって、結局こうなるのだ。
ああ、やっぱり私は、彼に敵わない……。
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