①彼女は俺の××。

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「うん、したよ。 あれ、報告したって言わなかった? それに、一緒のタイミングで上司に報告しようって二人で決めたじゃない」 楢崎くんはとにかく迅速だった。 この数週間で両家の挨拶はもちろん、直属の上司へ結婚報告、美菜やしーちゃんたちとの食事会と、彼の機敏さには驚いたものだ。 食事会当日、約束のレストランに向かう途中、 『親への挨拶より緊張するわ…』と、ため息まじりにぼやいていた彼。 美菜、しーちゃん、北原くん、渡瀬くんと対面したとき、彼の強張った顔を思い出すだけで吹きだしてしまいそうになる。 しーちゃんからの追及に、彼はたじたじだった。 その焦り具合が会社の彼とは大違い過ぎて、思わず笑ってしまった自分を思いだす。
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