830人が本棚に入れています
本棚に追加
最後はみんなから祝福の言葉を頂いて、事なきを得た。
帰りの車内でげっそりしながら肩を下ろす彼が新鮮で可愛くて、隣でクスクス笑う私を横目に、彼は不本意な目をしていたけれど。
「まぁ…そうなんだけど。
葉瑠はさ、社員に結婚を発表するのはできる限り遅いほうがいい?」
その声はどこか不安そうだった。
婚約発表をすることで、私に危害が及ぶのではないかと、彼は心配していたのだ。
彼が部長さんに報告した際、腰を抜かすほど驚かれてしまったらしい。
社員に漏れるのは時間の問題だろうけど、タイミングは君たちで決めていいよと言ってくれた部長さん。
上層部には二人で報告しに行った。
突然の結婚発表に普段は涼しい顔をしている重役が、目を見開いて固まる姿には私達も苦笑いになってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!