①彼女は俺の××。

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最後はみんなから祝福の言葉を頂いて、事なきを得た。 帰りの車内でげっそりしながら肩を下ろす彼が新鮮で可愛くて、隣でクスクス笑う私を横目に、彼は不本意な目をしていたけれど。 「まぁ…そうなんだけど。 葉瑠はさ、社員に結婚を発表するのはできる限り遅いほうがいい?」   その声はどこか不安そうだった。 婚約発表をすることで、私に危害が及ぶのではないかと、彼は心配していたのだ。 彼が部長さんに報告した際、腰を抜かすほど驚かれてしまったらしい。   社員に漏れるのは時間の問題だろうけど、タイミングは君たちで決めていいよと言ってくれた部長さん。 上層部には二人で報告しに行った。 突然の結婚発表に普段は涼しい顔をしている重役が、目を見開いて固まる姿には私達も苦笑いになってしまった。
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