830人が本棚に入れています
本棚に追加
「私はいつでも大丈夫だよ。
心配してくれてありがとう」
くるりと振り返って、彼を安心させるように微笑んだ。
「何を言われても、平気だよ。
…もう、あの頃の私じゃないよ」
とびっきりの笑顔を見せると、彼の首に両腕を絡ませた。
だからもう、安心してね。
その思いを込めて、ぎゅっと強く抱き締めた。
一瞬、彼の身体が固まったような気がした。
彼の表情は見えないけれど、フッと唇を緩ませる音が、かすかに聞こえてきた。
「さっきまで、あんなに恥ずかしがっていたのに…。
葉瑠はたまに、大胆になるからな…」
最初のコメントを投稿しよう！