829人が本棚に入れています
本棚に追加
『ちょっと待ってね。
…ほんとだ、しぶとい』
前に市販で買った寝癖落としウォーターを試してみたけれど、ぴんと小さく跳ねたままビクともしない。
『……諦めるの早くない?』
困ったように笑う彼を見ながらクスクス笑っていると、
『葉瑠、面白がってるだろ…』
彼はどこか腑に落ちない様子だ。
『だって、可愛くて』
クールな顔立ちの上に、ピョンって小さく跳ねているのが。
きっと会社の人たちもそう思うだろう。
『まぁ、仕方ないか。
いずれ消えるだろ…』
肩を落としてそう言うと、部屋を出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!