①彼女は俺の××。

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『ちょっと待ってね。 …ほんとだ、しぶとい』 前に市販で買った寝癖落としウォーターを試してみたけれど、ぴんと小さく跳ねたままビクともしない。 『……諦めるの早くない?』 困ったように笑う彼を見ながらクスクス笑っていると、 『葉瑠、面白がってるだろ…』 彼はどこか腑に落ちない様子だ。 『だって、可愛くて』 クールな顔立ちの上に、ピョンって小さく跳ねているのが。 きっと会社の人たちもそう思うだろう。 『まぁ、仕方ないか。 いずれ消えるだろ…』 肩を落としてそう言うと、部屋を出て行った。
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