①彼女は俺の××。

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…いずれ消えると言っていたけれど、午後になっても消えなかったんだね。 きっとうんざりしながら今頃格闘しているのかもしれない。 顔をしかめる彼を想像して、またクスッと笑みがこぼれる。 彼の情報は本社所属の女性社員から、今みたいに小耳に挟むことが毎日の習慣になりつつある。 昼休みの社食。 社内女子にとって、彼は話題のネタの一つらしい。 彼の仕事の様子が聞けたりするので、彼女たちの会話に耳を立てるのが私の楽しみなのだ。 「楢崎主任…彼女できたのかな…」 誰かのぼやきにドキッとする。
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