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「えぇ!何で?
だって大の女嫌いじゃん。
今までそういう噂なんてなかったし…。
いないんじゃないの?」
懇願にも似た声色に、冷や汗がじわりと背中に滲む。
「女嫌いだとしても彼女がいないとは限らないじゃない。
何となくそんな気がするんだよね。
女の勘というか…。
雰囲気が少し柔らかくなったのもそうだけど、最近になって早く帰ろうとしているところとか見ると特に」
「確かに、そう言われると…。
この前、部長に飲みに行こうって誘われていたけど断ってたよ。
それでも諦めない部長に『今日は大事な用事があるからすみません』って。
部長が楢崎くんに振られたって嘆いていたけど…あれは彼女と約束があったのかな」
二人で食事をした日のことだ。
先週の金曜日の朝、彼から食事に行こうという誘いがあったのだ。
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