彼女は俺の××。②

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次の日。 実験結果のレポート作成に息詰まった私は、少しの休憩も兼ねて研究棟にある自動販売機へと足を運んでいた。 飲み物を購入し、近くの椅子に腰掛けるとほっと息をつく。 ふと、時間が気になって、手首に視線を移した。 だけど、その視線はぴたりと止まってしまった。 …そうだった。 家に忘れてきたんだった…。 毎日欠かさず身に着けていた腕時計は、想いが通じ合ってすぐ、彼がプレゼントしてくれたものだった。 本日、何度目かの肩を落とした。 別になくても仕事に支障はきたさないが、あるとないとでは気持ちの入り方が違う。 腕時計を身に着けていると、彼がそばにいてくれるような安心感があるからだ。
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