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「お、お前なにすんだっ、危ないだろ」
「俊、今更それはないだろ」
オレの憤りなど無視して、達樹は言った。
言いたい事は分かるが。達樹のヤツは突然感情的になる欠点がある、所謂、キレるってやつだが。
まあ、怒るのは、決まってオレの事でだが。
「なんで、オレの親に会うことを、それ程拒む」
今日はこれから、達樹の実家に遊びに行く所だったのだ。そう、ただの顔見せと達樹は言っていたが。
「やっぱり、無理だよ、お前とオレとじゃ、釣り合いが取れない。お前は、某大会社の御曹司、片やオレはしがないフリーター。住むところが違うんだよ」
前々から達樹は、オレを親に合わせたいと言っていた。それは、オレの夢を叶えてやりたいという事、オレにチャンスをあげたいという事なのだ。
「コネなんか、要らない、余計なお世話だ」
こっちも、少し感情的になってしまったか。
高速道路って事で、車から降りるに降りられなくなり、バツが悪い。
妙な静寂を打ち破ったのは達樹だった。
「そんなんじゃない」
「……」
オレは言葉が出ないままだった。
達樹が続けた。
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