0-ldMinittsu

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会社に着いて、デスクに座り、パソコンを開く。 報告書を書く。 元請けさんからの連絡に対応する。 行動予定表を立てる。 作業員から日程終了の連絡を受ける。 また報告書を書く。 気づくと、18時を回っていた。 まだ、明日の現場の作業指示書も作らなきゃならない。 デスクワークは、終わりの見えない仕事ばかりで、気が滅入る。 大きな欠伸をして、またパソコン画面を見入る。今日も帰りは遅くなりそうだ。 「俊、今日も遅いのか」 出掛ける用意をしていたオレに、そっぽを向いて、達樹が言った。 達樹の、オレを見ずに何か言うのは、拗ねている証拠だ。 「ああ、今日のオーディション次第だけどね」 オレは芸能事務所に所属している。 でも、まだまだ駆け出しで、たまにオーディションの斡旋があるだけで、役の付く仕事は殆ど無い。故に職業はフリーターだ。 「待ってるよ。夕飯一緒に食べようぜ」 「ありがとう。行ってくる」 オーディションって言っても、面接のような事だけで、演技する事は稀だ。要はイメージに合う容姿をしているか吟味するだけ。 今日も志望動機などを訊かれただけだった。採用通達は2、3日後には分かるそうだ。 20時を過ぎたところだ。 かなり冷える。流石に12月の夜だけある。 オレは足早に帰路についていた。なにしろ家では大きな子猫が、腹を空かして待っているから。
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