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人は私を『女渦(ジョカ)』と呼んだ。
私の名を知る者は、浮世の恐れを知る者だ。
『ソレ』は
チカラだったり
カネだったり
ボウリョクだったり
ケンリョクだったり
自分より強者がいる事がアタマの片隅から離れない
哀しい奴なら誰でも知っている。
時にそれは『最強』であり『災厄』であった。
私は、多分、『災厄』の方だ。
『女神』と崇める者いれば、『蛇』と蔑ずむ者もいた。
「なぁ、一発ヤラせてくれよ。そしたら、悪い様にはしねえ」
その男は、言った。
秋のにわか雨に濡れる私の髪に触れながら。
「札付きだよ、私。女渦(ジョカ)を知らないの?」
「知っているよ。首から下が蛇の女神だろ? 俺、そう言うの好き。なあ、俺の部屋行こ。お前何処から下が蛇なの?」
最初はたただ面倒臭いと思った。
でも、そんな生易しいモノじゃなかった。
私の異変に気付いた取り巻きが男ににじり寄る。
そして、殴りかかって行った。
後に残ったのはボコボコにされた私の取り巻き達。
男はワタシを抱き上げた。
「お前は、魔性の女だ」
「……」
『 褒めてもいるし、憐れんでもいる』と男は続けた。
その日。
ワタシは、予期せず囚われの道を歩む事になった。
三人の出会いは、災難か? 救済か?
イカれた情報屋組織のボス、JOKER
(拒否権のない、飼い殺しと××)
極道に嫁いだ姉を亡くしたヒロイン、女渦
(不感症だが飛びきり男に好かれる)
『秘密』を抱えた女嫌いの極道の男、マサキ
(罪を隠したまま育む禁断の愛)
『この愛は、イタイ。でも、悪くない』
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