161人が本棚に入れています
本棚に追加
「イタイ……お願い、もうやめて」
「悪い。思いっきりやっちまった」
気が付くと、女の手首を捩じ上げていた。
俺にカラダを繋がれているからじゃない。
普段は『他の事を考えながら女を抱いたりしないのに』な。
バッドマンのジョーカーが、俺の通り名の由来。
俺のゴッドファーザー(名付け親)は、俺の最初の女。
出逢った翌年、借金を苦にした両親とダチと一緒に逝っちまった。
「不感症なの」
「抱いてりゃ分かる」
他の事でも、お前の事なら何でも知っている。
俺は知っている。
おまえは『ゆき』だ。
外気に触れるとたちまち溶けちまう。
白くて、柔くて、儚い雪だ。
最初のコメントを投稿しよう!