第一話 joka (女渦)

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「何だ。頭の上から足の爪先まで、人間の女じゃないか?」 幼い頃の幻想から現実に引き戻されて、吐き気がした。 何の部屋かは知らない。 けどだ。 人を部屋へ連れ込んで、だ。 電気も付けず服も脱がさず。 抵抗しないからって、好き勝手に抱いて。 満足したら、部屋の灯りを点け、全裸にして。 ――― 今更、言うか、そんな事? ――― 「それは不満? 本気で言っているなら、病院行ったら?」 今更、泣きわめいたりしない。 カネの為以外なら、もう何度も、望みもしないのに『捩じ込まれる様なコト』平気でされて来た。 「いんや。今、俺最高の気分。だって、さすがに蛇だったら萎えるだろ」 ――― 言ってろ、バーカ。 ―――
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