第三話 スケープゴート(贖罪のヤギ)

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「何で、勝手に見るの」 「悪い。つい……」 ほとんどが着替えだけの荷物の中から落ちて来た。 拾ってやるつもりで持ち上げると、擦り切れたファスナーから中身が落ちた。 通帳サイズのポシェットから出て来たのは、万札十数枚と通帳だった。 名義は、もうこの世に居ないはずの、俺の『初恋』の名義だった。 『田川 亜希』
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