第一話 joka (女渦)

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――― 好きなだけ、ヤラれてやったんだから、帰って良いだろう? ――― セックス何て、誰と、何回、何しても同じ。 全部一緒。 私は何も感じない。 早く、忘れよう。 命からがらでも、逃げてやる。 ――― 私の姉を殺した男に復讐するまで  生きてやるんだ ――― そう思って、身体を起こすと腕を掴まれた。 「トイレか?」 「違う」 「喉が渇いた?」 「違う」 「帰りたい?」 「イエス」 「かえさない」 「……what」 「何で英語」 「思わずよ」 男が掴んだのは左手だった。 私の小指を口に含み、優しく前後に愛撫した。 「ボクを置いて行かないで……」 「キモ」 私は20歳。 男は10以上歳上の男に見えた。
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