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その時、ウグイスの鳴き声が、隣の神社の社叢から、陽だまりが作る暖かな空気の中に響き渡る。
「お!ウグイスの初鳴きかな?もう…ほんとに春なんだな」
目を細めて、古庄は鳴き声のした木々の方へと仰いでみる。
真琴は、ウグイスのきれいな声よりも、そんな古庄の仕草とその様に心を奪われた。自分を見つめる真琴の視線に気が付いて、古庄が優しい眼差しを真琴へと返す。
目が合って、真琴が恥ずかしそうに顔を赤らめた時、
ホ――――――ホケキョ!
もっと近くにウグイスが鳴いた。
二人は思わず、同時にウグイスの声のした桜の梢に視線を移す。
そこから……、その上に広がる、春の柔らかい日が作る淡い青空を見上げた。
二人の未来も、晴れ渡っていくこの空のように明るく拓けている。
そして、そこにある温かく確かなものを、一緒に目指し見つめていた。
「恋はしょうがない。~職員室の新婚生活~」
―― 完 ――
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【 お知らせ 】
この作品を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
特典作品の「恋はしょうがない。~After Story~」は、「恋はしょうがない。~幸せな結婚式~」をお読みの後、読んでいただければと思います。
「恋はしょうがない。~After Story~」とはまた別の、もう一つのその後の物語が「恋は死なない。」という作品になります。こちらは、佳音を主人公としていて、9年後の古庄夫妻も登場し、重要な役割を果たしてくれています。「恋はしょうがない。~After Story~」を読んでいなくても、お読みいただける内容になっています。
また、「Rhapsody in Love ~約束の場所~」と「Rhapsody in Love 〜二人の休日〜」(「Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜」特典作品)には、真琴と出会う前の少し若い頃の古庄先生が脇役の一人として登場しています。「恋はしょうがない。」シリーズの後は、こちらの作品も是非読んでみてください!!
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