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漠然とした未来を思う時、いつも真っ暗なそこに不安を感じていた佳音だが、今は……柔らかく暖かな光に満ちているように感じられる。
早くそこに足を踏み入れたくて……、明日が待ち遠しいと、佳音は生まれて初めて思えた。
古庄と佳音を送り出した真琴は、部屋の中で一人になっても、もう寂しさと不安で泣くことはなかった。
温かい幸せな空気に包み込まれているのは、真琴も同じだった。
『自分と関わる人間を幸せにしたいと思う心がなければ、自分だって幸せにはなれない』
先ほど聞いた古庄の言葉が、まだ胸に響いている。
佳音の苦しみから目を逸らして、他人事のように思っていたら、到底今のような安らぎは得られなかった。
そして、生きていくことに対して、そんな言葉で表現できる古庄を、真琴は愛しいと思うだけではなく、心の底から尊敬した。
――…今夜も、君を抱きたい……。
先ほど、古庄が耳元で囁いた言葉。
古庄から愛されているという甘い感覚に、真琴は侵される。
昨夜、想いを交わして、激しく求め合ったことを思い出して、真琴の心も体も疼き始める。今夜も、早く古庄に抱きしめられたくて、心が逸った。
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