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「そんな。縁起でもない話、しちゃダメよ!でも、この中で誰も経験したことのないことだから、とても心配してるのよ。用心するに越したことないからね」
「赤ちゃんが産まれるのって、本当に不思議なことなのよね。人の染色体って22対46本からできてて、この私たちの体の細胞一つ一つにこの46本の染色体があるんだけど…。ただ精子と卵子という細胞だけは、23本しかないのよね。ちゃんと2つが結合して、46本になるようになってるの。ね?人間の身体って、よくできてると思わない?」
あげく、中山は生命の神秘を説きはじめて、一同は一様に感心する。
「へえ~、そうなんだ」
「中山さん、さすが生物の先生ね!…って、こんな寒いところで立ち話なんてしちゃダメよ。早く帰らなきゃ!」
石井にそう言って急かされて、真琴も自分の車に乗り込む。親友たちの温かい気持ちに包まれて、それに感謝しながら、真琴は車のエンジンをかけた。
でも、もうこうやって、親友たちと楽しい時間を過ごすのも、しばらくはできなくなる…。
この親友たちと会えなくなって、仕事からも遠ざかり、生徒達とも触れ合えなくなって…、4月からはどんな生活が待っているのだろう…。
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