第13話 ノンフィクション率75%

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 今日も一日、やっと終わった。  客先の少々困ったちゃんな担当の質問の数々には辟易としたけど、まぁ、いつもと同じと言えば同じ。  慣れれば店先ののれんが風を、客を通すかのようにする~っとスルーできるスキルが身に付いた。いちいち気にしてたらガシガシ精神を削られてどうなることやら、である。  そんな感じで暮らしているが、やはり溜め息の数は増えぎみだろう。  そんな時にこういう偶然の廻り合いがあると、地味~にではあるがテンションが上がる。 「あー、パンダ、久し振りだねぇ」 「…………」  互いに笑顔はない。  私が何とはなしに振り返ってみたら、いたのだ。  相手もまさかいきなり振り返ってくるとは思ってなかったのだろう。前足と後ろ足とを片方ずつ、上げたまんまの姿で硬直していた。  しんどそうな体勢だなぁ。ピクリとも動かないし……警戒してるなぁ。
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