第13話 ノンフィクション率75%

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「………」 「………」  うわぁ、すまんなぁ……なんか、スッゴいかわいいぞ。パンダ。  そろそろと上げた足が降り始めた。と、いうことは、今目を離したらさーっと走って行くな。  それが分かるだけに目が離せない。  私が視線を外さないからパンダも当然外さない。  先にそらした方が負けな気分になっている。  お前もかい? パンダ? 「うん、ごめん。見すぎた」  先に負けたのは私だ。  思わず謝りながらニヒャっと笑ってしまった。 「うな~ん」  視線をこちらに向けたまま、まるで『何やねんな、もう』みたいに聞こえるひと鳴きを残してから、パンダはサササーッと行ってしまった。  あれは昔からいる子なんだよ。  黒と白の本当にパンダ模様のスレンダー野良猫。 もう何代も続いてるのに、数年に一度見かける子猫も皆パンダ。  優性遺伝なのかね?  見つける度に嬉しくなる。  あ、今年も子猫パンダが生まれたか、とホッとする。  さらにこんな遭遇をすると楽しい。  無表情に見つめあい、というかにらみ合い?  『見たことある奴だ。でも何だ? なぜそんなに私をガン見するのさ』  そんな台詞を脳内でパンダに言わせてみると、これがまた楽しいのですよ。  さて、では私も帰りましょう。  明日も仕事なんだからね。   了
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