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「楢崎くんは大の女嫌いだし、だから結婚する心配は当分ないだろうって思ってた矢先のコレだもん。
社内女子の反応すごかったよ。
見ていて面白かったけど」
そう言うと、奈緒ちゃんは中断していた食事を再開し、口をもぐもぐさせながら話を続けた。
「楢崎くん、社員に向かって『俺の婚約者だ』発言したんでしょ?
いつか婚約したことみんなに報告するとは思っていたけど…まさかこんな形で電撃発表するとはね」
上層部に婚約発表をしたその日の夜、奈緒ちゃんをご飯に誘った私は彼と結婚することを報告した。
報告した時の奈緒ちゃんはとにかくすごかった。
最初、言葉を失ったまま固まる奈緒ちゃん。
しかし、その後すぐに店内は奈緒ちゃんの絶叫に包まれ、何事かとざわついたほどだ。
「しかも、『葉瑠を傷つけたら俺が許さない』発言までしたんでしょう!?」
奈緒ちゃんの口からぽろりとお肉らしきものが出てきた。
どうやら興奮のしすぎで喉を通るどころか口から溢れ出てしまったらしい。
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