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「で、誰が結婚すんの?」
「俺の親友だよ」
「私たちと同い年らしいよ。
プロポーズだなんて、すごいよね」
「へぇ。それはすごいな。
…そっか、健の親友か。
俺、てっきりお前らが結婚するのかと」
「直樹くんってば、何言ってるの。
私たち、まだ大学生だし、付き合って数か月しか経ってないんだよ?」
唯は笑って遠慮がちに答えた。
「…でも、今は無理でも、いつかそうなれたらいいな」
「…ああ、そうだな」
唯と視線が重なって、それに賛同するように微笑み返した。
今すぐは無理だけど、大学を卒業して、会社に就職して、胸を張って唯の未来を背負えると断言できる男になれるその日まで。
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