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「おいおい、二人の世界に浸っているんじゃねぇよ。俺を忘れるな!」
直樹がいじけた子どものように顔をしかめて間に入ってきた。
「直樹はすぐにやきもちを焼くからな」
「ね。健くんが高校の友達に電話している時はいつもだよね。
この前も、『健の親友は俺だ』とか中学生みたいなこと言って拗ねていたし」
「俺はたまに、直樹にそっちの気があるんじゃないかと思う時があるよ…」
「バカ言え!あれは健が俺を放置しているからちょっとふざけて言っただけだろ。
それに俺は女の子が好きだ!」
「ハイハイ」
「それくらい健くんのことが大好きなんだね、直樹くん」
俺たち三人は、ずっと一緒だった。
そしてこれからもそれは変わらないと、この時の俺はそう信じていた。
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