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『ありがとう、健。また連絡するな』
怜斗の嬉しそうな表情が、電話越しからでも想像できた。
きっと次会う時は、白河さんと二人で俺の所にやってきて、改めて結婚報告をしてくれるんだろう。
二人の幸せに満ち溢れた笑顔が頭に浮かんで、その日を想像すると、途端に待ち遠しくなった。
それからも、俺は怜斗からの報告を心待ちにしていた。
だけど、ただ時間だけが過ぎていって、夏が終わろうとしても怜斗から報告はなかった。
しびれを切らした俺は、ある日の夜、自分から怜斗に電話を掛けた。
その日は、たった数回のコールで怜斗と電話が繋がった。
「あ、怜斗?
プロポーズどうだったかなと思って。
気になって電話したんだけど…まだだった?」
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