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「婚約してる人」
「知ってる」
慶子のズボンが下がった状態で俺にカラダを寄せて来るから今度は指先が慶子の下着に当たった。
女性特有の滑らかな下着の感触は嫌いじゃない。
寧ろ、好きだ。
でも、嬉しくなかった。
ベッドで女を抱いて下着に触れるなんて、男にとって嬉しいばかりなはずなのに。
今、羞恥心と罪悪感に苛まれている。
子供に手を出す羞恥心と罪悪感だ。
俺の胸に蹲る慶子が顔を上げ俺の顔を見つめて言った。
「やっぱり、邦仁さんのズボン、大きいよ」
「ちゃんと紐結ばねえからだろ」
理性を総動員して指を動かした。
慶子の短パンの腰ひもを引き解いて、紐をきつく締める。
「あっ、やだっ。苦しい……」
( いや、ちょっときつく締めないと解(ほど)けるだろ? )
そう思って、俺は構わずきつく締めたまま、紐を結んだ。
「邦仁さん、いやっ、ちょっときつい」
「んな事ねえだろ」
慶子はじたばた暴れながら、俺の腕に手を絡ませて、いやいやをした。
「ほら、出来た」
「……苦しいよ。私、そんなにウエスト細くないから」
「細ぇよ。俺より6センチも背が高い癖に」
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