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猫田 猫(ねこた ねこのー18歳♂)は男が好きである。
更に言うと、自分より上背がありガタイが良く厳つい顔付きをした、いわゆるガチムチと呼ばれるタイプが好みだった。
そう、まさしく目の前にいるモーニングの彼の様な……男がドストライクなのだ。
「……坊(ぼん)、そないあっつい視線をこっちに寄越さんでくれぃ……」
「何言ってんだよぉ、こぉぉんなに良い男、目の保養にせんでどぉするん?」
モーニングの男、名を深実 源造(ふかみ げんぞうー38歳♂)といい、猫の“世話係”を務めている、猫の母親の部下である。
今も仕事着(死ぬ程似合わない)に身を包み、受付カウンター周辺を磨いて店の開店準備に勤しんでいる。
猫も同じく礼服に袖を通しており、受付カウンターより奥にあるバーカウンター内で、グラスを磨いていた。
「あぁ、本当、ゲンゾーカッコいい……なぁ一回くらい抱いてくれよ。男もイケるんやろぉ」
ちなみに猫は生粋のネコである。頑張れば“男役”も出来はするが、出来れば頑張りたくないというのが本音だ。
「だから……寝ションベン垂らしてる頃から世話見とった弟みたいなガキじゃ勃たんゆーに!」
源造は、そんな猫の性癖を幼い頃から側にいて知ってはいたが、それを助長する様な教育は一切していない。基本放任主義の彼は、今更ながら性教育ぐらいはしっかりさせるべきだったかとひっそりと後悔していた。
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